前回の引き続き、祟騙し編其の伍の考察を書いていく。
Part.1では大石と沙都子の目的について考察した。今回は謎の多いラストになった綿流しの夜に起こったことについて考察する。 というか謎だらけでまともに出来たことは確か/不確かを分けることと、そこから起こった出来事を妄想するくらい。
今回も話半分で読んでほしい。
Part.1はこちら。 benevolent0505.hatenadiary.com
綿流しの夜に起こったこと
綿流しの夜に起こった事件は2つある。
時系列的には沙都子の家の事件が先に起こっていると思われるので、まずは沙都子の家の事件から考察する。
沙都子の家での事件
アニメ内のシーンを整理すると
- 圭一が沙都子の家に行き、沙都子が圭一を暗い部屋に待たせた
- 電気を付けた瞬間圭一がバットで殴られた
- バットで殴られ圭一の返り血が電灯に付いて以降、シーン全体が赤くぼやけた
- 鉄平が立っており、圭一に襲いかかろうとした
- 沙都子が走って部屋に戻ってきた後圭一が鉄平に反撃、鉄平が動かなくなった後圭一も倒れた
- 2人が倒れた後、沙都子はその場から逃げるように離れた
一見「いるはずの無い鉄平がバットで圭一に襲いかかり、それを圭一が反撃した」というシーンに見える。しかし場面をよく見ると、圭一はバットで殴られはしたが誰に殴られたのかは描写されていない。
また圭一の返り血が電灯に付いて以降、シーン全体が赤くぼやけている。これが雛見沢症候群にかかっており、それによる幻覚描写であることの表れではないかと予想される*1。
以上のことから
- 圭一を襲った人物は鉄平以外の人間
- ぼやけた以降は幻覚描写が混ざっている
の予想が立てられる。
しかし疑問の余地は残り、すんなりと受け入れられる予想でもない。
そこでシーンそのものではなく、圭一が沙都子の家で倒れたのが沙都子の意図通りなのかそうでないのかをスタート地点にして考察する。
圭一が倒れるのが意図通りだった場合
この場合沙都子の狙いは圭一に悟史のとても大切にしていたものを渡すことではなく、圭一を殴って気絶(もしくは殺害)することが目的だったことになる。
しかし、この目的はいまいち筋が通らないと自分は考える。
- 圭一を襲うのが目的だったのなら、普段の日常にチャンスはいくらでもあったはず
- 仮に沙都子の家で気絶させる必要があったとしても機会はあったはず
- 沙都救出までの展開を経た理由も不明
- 意図通りならこのシーンで沙都子が「おじさま」と言ったり、逃げるように狼狽えた声を出す必要もない
- ただしこの反論は圭一が最初に殴られた時点で気絶しており、ぼやけているシーンは全て圭一の幻覚だった場合成り立たない
- メタ読みだが、圭一に「にーにー」と呼ばせた理由も不明
- 圭一を家に呼ぶため「にーにー」と呼んだり大切なものを渡すと嘘を言ったとしたら通るが、手段が回りくどい
またネット上の他の考察では圭一がバットで殴られたのは沙都子のトラップであるというものがある。殴った犯人が見えず直後に場面がぼやけたことを考えれば確かに納得できる推理だが、やはり沙都子自身の意図が読めないため、考慮から外している。
以上から、圭一が沙都子の家で倒れたことは沙都子の計画にない出来事であったと推測する。
圭一が倒れるのが沙都子の予想外だった場合
この場合バットで殴った犯人は沙都子以外の誰かということになる。ここでも圭一を襲った側の目的から考えてみると以下が想像できる*2。
- 圭一(沙都子)に恨みがあった
- 圭一を行動不能にし、沙都子の目的の妨害を狙った
恨みがあったのは素直な見方で、鉄平が犯人とすると筋が通る。
- 鉄平は沙都子に騙されていたので、沙都子への恨みは十分にある
- 沙都子と圭一が一緒に家へ入るところを見られたとすると、2人が共謀して自身を嵌めたと思っても不思議ではない
- 鉄平から沙都子への虐待はなかったので、連行された後一晩で釈放されたとしたら、あの場にいることにも説明が付く
- この場合大石が釈放し、鉄平を泳がせることで沙都子の出方をうかがったのではないかとの見方もできる
説明は付くものの、筋が通りすぎていることや赤くぼやける描写に触れられていないことに疑問が残る。また復讐目的とはいえ、殺す勢いで殴るのいささか異常ではある。
一方、沙都子の妨害を狙った線について考える。
ここで沙都子の目的を妨害する人物X(または勢力)がいることを仮定する。
こう考えると、先に書いた鉄平の行動に違った筋書が見えてくる。
- 鉄平が釈放された後人物Xが鉄平をけしかけ、圭一を襲うよう仕向けた
- その際鉄平に雛見沢症候群を誘発する薬*3を用い、攻撃行動を強くさせた
- 場面がぼやけたのはこのため
- 鉄平の釈放も人物Xの手引きがあったと考えることもできる
人物Xの正体については鷹野(東京)・大石が考えられそうだが、沙都子の目的について知れる立場だったのか・薬の調達が出来たのかの疑問がある。人物Xについてはまだ本編に登場していない何者かとおいた方がまだ自然である。
沙都子を妨害する人物Xの存在は都合が良い仮定だが、自分はこれが有力ではないかと考える。
ここまでをまとめると
- 圭一が倒れることは沙都子の計画にはなかったと思われる
- 誤算だったのは第三者の介入
- 実行者として鉄平だが、大石または他の人物Xによる沙都子の妨害があった
- シーンがぼやけることを考慮すると、雛見沢症候群を誘発させられる人物Xの仮定も視野に入る
以上が、沙都子の家での事件の真相と考える。
ただし疑問は残っており、病院で目覚めた圭一は沙都子の家に行った以降の記憶がないように見える。 これは圭一が雛見沢症候群の影響で記憶に混乱が生じたためとの見方も出来るが、ならこれも誰が雛見沢症候群を進行させたのかの疑問が出てくる。
これ以上は考察材料と想像力が足りないため、古手神社での事件に移る。
古手神社での事件
次に古手神社での事件について考察する。
まずレナの発言を整理する。
起こったこととして考えられることは3つある。
- 大石が皆を拳銃で撃ち殺した
- 大石以外の人物が皆を殺した
- 何らかの出来事が起こって皆が死んだ
大石が射殺したは、状況を素直に受け取ればそうなる。
- 「拳銃を」の後に続くのは「拳銃を向けて撃った」
- 言葉が途切れたのは言いたくない出来事なので、途中で話すのを止めたため
- レナの「何を見たのか、あんなの意味がわからない」も友達が目の前で殺されるのを見たら出てくる台詞としては自然
しかしレナは大石が撃ったとは言っていない。またみんな死んじゃったと言ったが、殺されたとは言っていない。
死んだ云々は言葉を選んだ気もするので難癖に近いが大石以外の人物が殺した可能性、または別の何かによって皆が死んでしまった可能性がある。
レナの台詞からわかる状況はここまでである。しかしこの情報だけだと境内で何が起こったのかがまるでわからない。そこでキーパーソンとなりそうな沙都子・大石のそれぞれの視点から境内で起こったことを想像してみる。
沙都子の視点
始めに沙都子について整理してみる。
まず沙都子は圭一と一緒にいるまで家におり、最終的に古手神社の境内で死亡した。 ということは、沙都子には倒れた圭一を置いてまで古手神社に向かう理由があったということになる。
普通に考えれば皆に助けを求めに行ったと考えるのが自然であるが、圭一の様子を確かめることをしなかったのが気にかかる。 また沙都子の計画は圭一が倒されたとこで失敗してると考えられる。
このことから、古手神社に向かったのは助けを求める以外に目的があったのではないかと推測できる。
では何が目的だったのか。
ここからは根拠が無いが、妄想の1つを上げるとしたらこういう筋書も考えられる。
- 前提として沙都子は梨花がカケラを渡り歩くことを知っている
- 理由は不明
- そのため、このカケラ知識を得る前に梨花を殺してしまおうと考えた
- 沙都子と圭一が一緒にいたことが知られると、自分が怪しまれてしまうため
- こう考える理由としては、鬼騙し編・綿騙し編でも梨花と沙都子は必ず死んでいるため
- これは沙都子が梨花を殺し、自殺することで次のカケラに機会を託したのではないか
- まとめると、沙都子が古手神社に向かった理由は梨花を殺し、次のカケラで自身が怪しまれないようにするため
これ他のカケラでも梨花と沙都子が死んでいること。最終的に古手神社の境内で梨花と沙都子が死んでいることから導きだした思い付きである。 仮定することが多かったり、沙都子が梨花を殺せる設定になっていたりと色々と無理があるが、妄想するだけなら考えられる。
他にも、部活メンバーに共犯がおり合流を狙った可能性や、今回空気だった鷹野・富竹・入江・etc...との合流を図った可能性もある。
これ以上沙都子の視点で考えても根拠が無く妄想を広げるだけなので、大石の視点に移る。
大石の視点
大石の視点から沙都子の家から古手神社までを考察してみる。
ここでは以下の2つを仮定する。根拠は前回のエントリの通り。
- 大石は沙都子が怪しいと疑っていた
- 綿流しの夜も沙都子の動きを追っていた
こう考えると、大石が境内に向かうまでの道程は以下のようではないかと想像できる。
- 沙都子と圭一の後を追い、家の前で見張っていた
- 沙都子が一人で家から出てきたことに違和感を感じ、家の中に入った
- 部屋の中で倒れている圭一を発見
- 沙都子を追い掛け古手神社に行き、レナたちといる沙都子を発見
これは納得の行く流れである。 沙都子は境内で死んでしまったため誰かが圭一のことを知っていないとあのまま放置されることになる。沙都子を張っていた大石が見つけ、警察に連絡したと考えれば自然である。
この時の大石の心情を考えると、これまでの沙都子への疑惑、血溜まりに倒れている圭一、そして綿流しの夜であること。 これらから、大石が沙都子は今年のオヤシロさまの祟りの実行犯またはその関係者であると思ったのは自然である。
この状態の大石が沙都子たちの姿を見た場合どうなるのか。
これらから、境内での出来事を想像してみる。
境内での出来事の想像
始めに出した3つのパターンでそれぞれ展開を想像してみる。
1.大石が皆を拳銃で撃ち殺した場合。
大石は祟りの関係者である沙都子を追い境内についたが、そこには沙都子以外に梨花・魅音・詩音・レナもいた。 もともとオヤシロさまの祟りには園崎家が関わっていると疑っていた大石は、魅音・詩音も犯人だと自分の中で繋げる。
大石は何らかの理由で拳銃を取り出し、レナ以外に発泡。梨花まで撃たれた理由は御三家なので関係者だと思ったか、もしくは沙都子がわざと当てさせたかも考えられる。
2.大石以外の人物が皆を殺した場合。
妥当な人物が見つからないかつ、無数のストーリーが考えられてしまうので割愛する。
3.何らかの出来事が起こって皆が死んだ場合。
レナの反応はどんな死に方をしたのかも理解できないような口振りのようにを感じる。突拍子もない発想ではあるが、レナ以外の全員が雛見沢症候群を発症し殺し合ったり、超常の何かによって命が奪われることでもあったのではないか。しかしこれでは推理でもなんでもなくなってしまうので、この考えは置いておく。
いずれにもある疑問として以下の3つがある。
- 何故大石は拳銃を取り出したのか
- レナは何故生き残ったのか
- 大石はどうなったのか
大石が拳銃を取り出した理由は不明である。
- レナは「大石さんがやってきて、拳銃を」までしか言っていないが、状況的に拳銃を出したの大石だろう
- 園崎家にも拳銃はあるが、魅音・詩音が常持っているとは思えない。
- また1.の場合だったとしても、あくまでも子ども相手なのに拳銃を取らなければいけなくなるとは考えづらい
- あるとすれば、大石も雛見沢症候群が発症し、拳銃を出さなければいけない相手だと幻覚を見た可能性はある
- と考えると、無差別に発泡していてもおかしくなく、次のレナが生き残った疑問にも繋がる
レナは何故生き残ったのか。
- 撃たれた場合順番が気になる
- もっともレナは勘が働く方なので、撃たれないよう他のメンバーと離れていた可能性もある
- 他の何かが原因だったとしても、レナだけ無事な理由がわからない
最後に、大石はどうなったのか。
- 圭一は熊谷から事情を聞かれたことから、以前と同じように警察業はできていないと考えられる
- 可能性としては
- 境内で魅音たちと共に、もしくはその夜の内に死亡
- 逮捕
- 入院中など
- この中では綿流しの夜に死亡してしまったと考えるのが濃厚だが、推理のための根拠が何もない
以上が古手神社の境内で起こったことの想像である。沙都子・大石の視点から材料を作ってみたが、境内の事件を説明し切れる材料が揃わないため、これ以上の考察は打ち切ることにする。
まだ残る大量の疑問と沙都子のブラウス
祟騙し編には他にも謎がある。
- 鉄平の頓服薬(症状が起こった際に飲む薬)の意味は何か
- 悟史の失踪理由
- 他のカケラでの沙都子の目的
- 鷹野・富竹・入江が空気なこと
また、個人的に一番の疑問は綿流し日に沙都子が着ていた服装である。 これまでにあんなブラウス見たことないし、沙都子があんな服を持っているなんて情報はない。
あのシーン以降の沙都子は別人だと言われても納得するレベルで沙都子の服装は謎である。
鬼騙し編・綿騙し編・祟騙し編の3つに共通すること
ひぐらしのなく頃にでは、カケラに共通する事柄としてルールXYZがあった。これまでのひぐらしのなく頃に業ではこのルールは適応されていないように見えるもの、別の共通項があると考えられる。
現時点で見えてきている共通項について書いておく。
圭一が死なない
業では負傷はするものの、圭一が死なずに昭和58年の6月を生き延びている。状況から死んでいてもおかしくないが、偶然か必然か生き延びるような作用が働いていることは検討してもよいのではと考える。
梨花と沙都子が必ず死亡する
これは言わずもがなである。問題は誰がこの作用を働かせているか。祟騙し編では沙都子が怪しかったが、その視点で他のカケラを検討してみてもよいかもしれない。
誰かが異常行動をする
これはあまり自信がない。そもそも異常行動をしているように見えて、そうではない可能性がある。候補となる人物を上げておくが、これの根拠は乏しいので、これは共通項ではないかもしれない。
- 鬼騙し編: レナ
- 綿騙し編: 魅音(or詩音)
- 祟騙し編: 鉄平(or大石) (?)
其の伍の感想
以下其の伍を観た感想を雑多に書いていく。
- 相談所の描写が多い
- だからなんだという気がする
- 町会の抗議だから死守同盟の名前は使わないで、みたいな連絡も描写が細かい
- 大石につっかかる詩音の表情良かった
- 背中から見たら落ち着いて悪態をつく詩音だが顔は鬼の表情をしている
- こういうのが他の場面でも多かったのかもしれないな〜
- 相談所のやり取り、皆殺し編と同じなのに大石との関係が違うだけでこんなに違ってくるものなのか
- これ面白くないですか
- レナも何か知ってそうな雰囲気がある
- 祟騙し編の他のシーンでもそういう
- 最後の「最高のゴールに辿りついた〜」とかも知ってるから出てきた台詞な気もするな〜〜
- 祟殺し編でも梨花が古手神社で死んでいた事件と雛見沢大災害が発生した出来事の2つがあったから、祟騙し編と対応が取れてると言えなくもない
- 鉄平の件や相談所云々はあるけど
まとめ
これまでで最長の考察エントリになってしまった割に本質的なことが何もわかっていない、、。想像力の足りなさが辛い、、。
これまでのひぐらし業、沙都子怪しすぎて逆に疑いたくなくなるくらい怪しいんですよね。そこでミスリードしている可能性もあって何度も考え直したりして余計時間がかかてしまう。
考察していると、根拠に基いて考察しようとはしているのだけど、信じたいと思う方向に都合よく解釈してしまったり、無理矢理根拠を仕立て上げてしまったりしてしまうこともよくある。 たかがアニメの考察だけど結構真面目に考えているので折角ならしっかり考えたい。
しかしラストの展開はほんとに意味がわからない。レナじゃなくてもパニックになるし、現に自分はパニックになってる。毎日こっちだって意味がわかんねーよ!って言ってる。
これを納得させられるような真相は用意されているのだろうか、次回の猫騙し編以降に期待したい。
おまけ (思いついたトンデモ展開)
1ミリくらいはあると思っている展開です。
- 圭一が鉄平殺しの夢を見たのは意図的に見せた
- もしくは見たおかげで最悪の道へと辿らせないようにした
- 悟史の代わりにしようとした?
- 悟史が鍵になる?
- 悟史復活のため圭一を利用
- 沙都子が超常の力を使って鉄平や大石を操ったと言われた方が筋が通る気がするんだよな
- 自由に雛見沢症候群を発症させられるトリガーがあるのだろうか
※2021/1/11追記
猫騙し編の考察・感想など書きました。 benevolent0505.hatenadiary.com