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感想とか覚え書き

ひぐらしのなく頃に業 祟騙し編 其の伍 考察・感想 〜Part.1 大石・沙都子の目的について〜

祟騙し編其の伍の考察。今回も予想を大幅に裏切る結果で見事に騙されてしまった。というか予想が擦りもしねえ。

このエントリを書くのにかなり時間をかけたが、結局確信部分で何が起こっていたかがまるでわからない。 沙都子ループ説だとか、全ての黒幕説にはほとんど触れていないので、そこには期待にないでほしい。

大石は沙都子の目的は見えてきたが、根拠が無く妄想の域を出ないものも多いので注意してほしい*1

また書いていく間に文字数が膨大になってきたので、前半を沙都子と大石の目的について。後半を綿流しの夜で何が起こったのかと鬼騙し・綿騙し・祟騙しを通して見えてきたこと、其の伍を見た感想について書く。

大石について

今回のラストは古手神社の境内に現れた大石、拳銃、魅音・詩音・梨花・沙都子の死という衝撃の展開となった。神社で何があったか詳細はわからないが、皆の死に居合せたこと・病室で大石の話題を避ける熊谷などキーパーソンであることは間違いない。

また祟騙し編での大石の行動には謎も多く、圭一達以外の視点を持っていると考えられる。

そこでまず、大石の主観に立って児童相談所での発言・行動について考察する。

沙都子は鉄平から虐待を受けていない

大石のいくつかの発言から、沙都子は虐待を受けていないと推測できる。

  • 具体的には大石の「茶番に付き合うのも今だけ」「圭一が正しいことをしていると信じて疑いもしない」の発言から
    • 茶番とはおそらく、沙都子を救出するための集会のこと
  • 大石が事実に基いた発言をしているのならば、沙都子を救出する必要がない→虐待はないということになる
  • 正しいことを信じて疑いもしないの発言もこのため
    • そもそも虐待を受けていないからこの発言が出てきたと思われる

ここで大石の行動に2点疑問が湧いてくる。

1.大石の独断で集会を妨害している理由

  • 「課長相手に嘘を言う」という熊谷の発言から
    • おそらく課長からの無線で集会を止める理由について聞かれ、(児童相談所の)トップとの話がついていると返事をしたのではないか
  • しかし虐待を受けていないことが事実であれば、何故独断で集会を妨害したのか
    • 独断で止める必要はなく、正規の手段を取れるはずである
  • このことから、沙都子が鉄平から虐待を受けていないことの証拠がないと推測できる

2.大石が圭一相手に手加減をしている理由

  • 「今だけは圭一に華を持たせようと思っている」の大石の発言から
    • 一見、大石が園崎お魎を動かした圭一をかっており、そのため強引な手段を取らずに手加減していたように見える
  • それならば、始めから圭一達に事情を説明すればよかったのではないかと疑問が残る
    • 圭一達が聞く耳を持つかどうかは怪しいが、、
  • ここで1の虐待を受けていないことの証拠が無いことを踏まえると、警察が合法的に北条家の様子を把握する名目を得るためではないかと推測ができる
    • 最終的に圭一は皆を動かし、相談所に沙都子の様子(北条家の現状)を確認させることに成功した
    • その際大石は、相談所職員と北条家に同行するという名目を得た
  • この名目を得るためにこれまで行動していたのではないか

これらの大石の行動から、大石は北条家に探りを入れようとしていると推測できる。つまり、大石の目的は北条家にあると判断できる。

大石の目的は北条家

大石の目的が北条家にあるのは間違いない。では何故北条家なのか、具体的に誰が狙いなのかについて考察する。

  • 大石の行動原理を考えると、大石が固執するのはオヤシロさまの祟りである
    • 其の弐での入江も大石がオヤシロさまの使いであると説明している
    • 今回もオヤシロさまの祟り関連で北条家を調べていると見てよいだろう
  • 大石は今年の祟りの犠牲者が北条鉄平であると睨んでいたのではないか
    • 其の四では、鉄平がオヤシロさまの祟りに合うと話す村人の描写もあり、村でも噂されている
      • 村の仇敵である祟りに遭うターゲットとしては濃厚である
    • 去年は沙都子の叔母(鉄平の妻)が異常者に殴り殺されて、悟史が失踪している
      • このことからも、大石が今年の祟りの対象として北条家を見張るのは自然である
  • よって大石はオヤシロさまの祟りの真相を突き止めるために動いており、次の祟りのターゲットと疑われる北条鉄平を狙っていると考えられる
  • しかし、大石は沙都子が虐待を受けていない確信を持っている
    • これに気づいた切っ掛けはわからないが、鉄平が沙都子を虐待しないことに疑問を持つのは自然
    • そこから沙都子に疑いを向けたのではないか

相談所と大石(警察)が北条家に向かった際、何が起こったのか。

それを考察する前に、一旦沙都子に対象を移して考える。

沙都子の行動について

祟騙し編全般で沙都子は不可解な言動をしている。しかし作中の描写だけでは確かな情報が少ないため、考察ではなく妄想になってしまう。

根拠は少ないが、まず 沙都子は鉄平から虐待を受けていないこと をベースに考えてみる。

何故沙都子は鉄平から虐待を受けていないのか

まずここが疑問としてある。鉄平が改心した可能性もゼロではないが、ここでは考えなくても良いだろう。

改めて祟騙し編全体を振り返ると、鉄平が雛見沢に戻ってくる理由がないことに気づく。

  • 祟殺し編皆殺し編では間宮リナがいなくなり興宮にいられなくなったことが理由としてあった
  • 今回はその描写がなく、鉄平が雛見沢に戻ってきた理由が説明されていない

そこで、鉄平が自分から戻ってきたのではなく、沙都子が呼び戻したとしたらどうか。

  • 戻ってきたのは描写があったのは、其の壱での古手神社の打ち上げの後沙都子が夕飯の買い物に行った後である
  • ここで沙都子は夕飯の買い物をしていたのではなく、鉄平の元に行ったのではないか

この推理が真実なら、大石は始めから沙都子を怪しんでいたのではないか。

  • 祟りのターゲットとして張っていた鉄平の元に沙都子が接触した
    • 普通であれば、自らを虐待していた鉄平の元に行くなど考えられない
  • これは大石が沙都子に疑いを向けるに値する理由である

ここで、沙都子が鉄平を雛見沢に連れ戻した理由と方法に疑問が生じる。

理由については後述するが、雛見沢に連れ戻した方法については些細な問題だと思われるので深く考えないこととする。

  • わかるのは鉄平が沙都子の言い分に納得し、また手出ししないようにできるだけのものを提示したこと
  • 沙都子が虐待を受けていないという結果から逆算すると、それだけの何かを持ち掛けたのではないか

以上をまとめると、祟騙し編でのそれぞれの行動・思惑は以下のようになる。

  • 沙都子は自分で鉄平を雛見沢に連れ戻した
  • 鉄平は沙都子の持ち掛けに同意していた (そのため、そもそも鉄平は沙都子を虐待する立場になかった)
  • 大石は鉄平に接触した沙都子を怪しんでいた

では何故沙都子は鉄平を連れ戻したのか。次はそこについて考える。

沙都子の目的

沙都子が鉄平を連れ戻したとして、その目的は何なのか。

呼び戻した理由は、虐待を受けていると印象付けるためだろう。

  • 其の弐・其の参の学校での行動から、沙都子が虐待を受けていると想像するのは必然である

では何故印象付けたかったのか。ここで綿流しの夜に沙都子の圭一への態度が明らかに違ったことについて考える。

  • 助け出してくれたことへの感謝から好意に変わったようにも見えるが、「にーにー」と呼ぶのは明らかに異常
  • もしかすると沙都子は始めからこうすることを狙っていたのではないか

つまり、沙都子が圭一を「にーにー」と呼んでも圭一に納得させられる状況をつくりだすことが、沙都子の目的だったのではないか。

  • 日常の中で「にーにー」と呼ぶのは明らかに無理がある
  • ならば沙都子が「にーにー」と読んでも不思議でない状況を作りだせればよいと考えたのではないか

となると圭一に自身(沙都子)に対する思いを強くし、納得させることも必要になってくる。

  • 圭一が沙都子への思いを強くする描写は、其の壱で圭一と2人で夕食をとるイベントが既にある
    • ここでは両親がすぐに帰ってきてしまったため、自身への関心をもっと向ける必要があると考え、虐待を受けている印象付けを行ったのではないか
  • また綿流しの夜で「にーにー」と呼ぶことを迫った沙都子は、やや強引目に見えた
    • ここも沙都子の目的に圭一が沙都子を「にーにー」と呼んでもいいと了承させる必要があると考える根拠である

以上をまとめると

  • 沙都子の目的は圭一を「にーにー」と呼んでも圭一に納得・了承させられる状況をつくりだすこと
  • このため沙都子は圭一と一緒に過したり、虐待を装って救出してもらおうとして圭一の沙都子に対する思いを強くさせる行動に出た

この目的と綿流しの夜の沙都子と圭一の会話を考えると、沙都子が行おうとしていることが見えてくる。

沙都子が圭一を「にーにー」と呼ぶ理由

綿流しの夜に沙都子が圭一に対して行ったことは以下。

  • 圭一を「にーにー」と呼び、了承させる
  • 圭一に悟史がとても大切にしていたものを渡そうとする
  • 沙都子の家(北条家)に圭一を連れていき、部屋で待たせる

鍵となるのは、やはり悟史がとても大切にしていたものを渡すことだろう。よって以下にある事柄が、沙都子が昭和58年6月の雛見沢で果たそうとしていたことと推測できる。

  1. 沙都子が圭一を「にーにー」と呼ぶこと
  2. 圭一がそれを了承すること
  3. 圭一に「にーにー」がとても大切にしていたものを渡すこと

またこの「大切なもの」については以下の情報が出ている。

  • 「にーにー」しか持てないもの
    • なので圭一を「にーにー」にしたことで、圭一が持てるようになった
  • これは圭一以外に見られると困るもの
    • 知られるとはずかしいの発言から

さてここまで考えたが、これを行ったことで圭一や沙都子に何が起こるのかがまるで見えてこない。

より妄想を膨らませるならば

  • これにより悟史が圭一に成り代わり本当に「にーにー」になる
  • 沙都子ループ説に触れるのなら他のカケラの世界でもこれを達成しようと動いていたことになる
  • etc...

と色々考えられるものの、全て根拠が無い*2。この辺りで沙都子の目的に関する考察は止めておくことにする。

沙都子の計画と祟騙し編での流れ

最後に、沙都子の計画と綿流しの夜までの流れを整理してみる。

  • 主目的は沙都子に「にーにー」と呼ばれることを圭一に認めさせ、その状態で悟史がとても大切にしていたものを圭一に渡すこと
  • そのため圭一と親密な中になり、沙都子の兄役としての自覚を持たせようとした
    • 其の壱での圭一の夕食を作ったり買い物に行くイベントがそれに当たる
  • しかし予想よりも早く親密になる機会が終わったため、別の手段を取った
  • それが北条鉄平に虐待される沙都子を、圭一に救出してもらう作戦
    • 鉄平を雛見沢に連れ戻し、虐待を受けているかのように振舞い、圭一たちの努力により自身を救ってもらう
  • 救出作戦の締め括りは相談所の人に助けを求め、その場で警察に鉄平を連行させること
    • 警察に連行させることで、騙していた鉄平が戻り復讐される可能性を無くす
    • 実際、圭一に電話していた通りのやり取りがあったと想像できる
  • 救出後は圭一に対し「にーにー」と呼ぶことを了承させ、悟史のとても大切にしていたものを渡す

ここまでが沙都子の計画であり、沙都子視点での時系列なのではないか。

しかし実際には、圭一に悟史の大切なものを渡せていない。次は綿流しの夜、実際に起こったことについて考える。

ここまでの感想

これで全体の半分ちょっと……。次は綿流しの夜に起こったこと・13話まで通して見えてきたこと(つまり今回のルールX・Y・Z)・他感想について書くつもり。

沙都子の目的については割と妄想入っているが、大石に関しては割と発言も多いし割とそれっぽい推理ができているのではないか。 しかし沙都子の目的を妄想したとして、結局何を成し遂げたいのかがまるで見えてこない。根本的な情報が欠落してると思われるので、それを超推理するしかないんだろうなあ……。

※ 2021/1/3 追記 Part2について書きました。 benevolent0505.hatenadiary.com

*1:論理も若干変な部分がある……

*2:沙都子に関しては割と根拠がないが……