雑紙

感想とか覚え書き

映画『アンチャーテッド』観てきた。ゲームのファンはもちろん初見の人でも楽しめるいい映画だった

映画『アンチャーテッド』を観てきた。タイトルにも書いた通り、アンチャーテッドのことを知らない人からゲームのファンで楽しめる面白い映画になっていてとてもよかった。

自分は原作となったゲームが好きで、アンチャーテッドシリーズのだいたいはプレイしている。 ゲームの実写化となると出来栄えについて身構えることが多いし、実際観るまで不安半分だったが、杞憂だった。

開始からゲームの象徴的なシーンを丁寧に再現している様子を感じ取れたし、何より映画として普通に面白いと思った。

感想についてはこちらの方の記事も是非読んでほしい。感想を書く前に読んでしまったので似かよった内容になってしまって申し訳ないのと、実際この方と同じような感想を持ったので紹介しておく。

nix-51.hatenablog.com

以下基本ネタバレで感想を書いていく。あまりネタバレを気にする映画ではないと思うが、気になる人は観てからで。

数々のゲームを思い出すシーン

原作ゲームを丁寧に再現しているお陰か、プレイしている時の感覚を思い出すシーンが多い。

ネイトがクロエを持ち上げるシーンであのちょっと高い崖や梯子の下に行って持ち上げるアレを思い出す。 ネイトが船のへりを掴んで登るのも、真にあの驚異的な握力で出っ張りを掴んで登るやつじゃん!と勝手に興奮していた。

ネイト役のトム・ホランドの役作りが素晴しいのもそうだが、どうやらアンチャーテッド最終章の「海賊王と最後の秘宝」をプレイしたことがあるらしい。 以下のインタビューの中でもゲーム内の文書を読む動作が好きで、その仕草を再現しようとしたらしい。実際いくつかのシーンで表れている。

www.youtube.com

仕草以外の面でも、例えば映画の冒頭は飛行機のシーンで気絶したネイトが空中で目覚めるところから始まる。 これは2の崖から落ちかけた列車で目覚めるネイトのオマージュだとすぐにわかったし、同時にゲームファンへのサービスはかなり期待できるぞと思った瞬間だった。 映画的にも開始から「うお、マジか」とスリリングな気持ちにさせられる。

他にもいくつもゲームを思い出させるシーンがあり、全体的に原作の再現が丁寧になされていると感じた。

映画としてもよかった

ゲームを思い出させるだけでなく、映画としてもよかったと思う。

飛行機や海賊船のアクションシーンもスリルと迫力があるものになっていたり、謎をサクっと解き進める様子はネイトっぽいし、テンポがいいので観ていて気持ちがいい。

ストーリーは公開前にも言われていた*1が、若きネイサン・ドレイクがトレジャーハンターの道へと進んでいく物語だとしっかり感じられたのがよい。

若さを表現したシーンで好きな部分が、ネクタイを上手く結べないネイトがサリーに結んでもらうシーン。 サリーがネイトに対して父親であったり年長者の友人であるように振る舞うシーンはゲームでも表現されてきたが、一番親子っぽさを感じた描写だった。

全体的によくまとまっていたが、敵の魅力が薄いのはちょっと気になった。 背景は感じられるが、そもそもの描写が少ないせいか特徴を感じられない。そこに物足りなさを感じた。

特に好きな場面

イースターエッグ的にノーティードッグのロゴがチラっと映ったり、ゲームでネイト役をやったノーラン・ノースがカメオ出演するシーンはどうしてもニヤリとする。 ノーラン・ノースが出るシーンではNate's Theme 3.0のメインテーマと言える曲が流れたり、この手のカメオ出演のシーンにありがちなやり取りをしてある意味お決まりのシーンなのだけど、やっぱりいい。

飛行機のシーンは本当によく出来ていたと思う。 積荷から積荷へ飛び移る様子や敵を蹴り落とす様子はハラハラ感を感じさせるし、ゲームのコマンドやQTEが見えるようですごくいい。

場面ではないが、全体的にネイトが積極的に人を殺さないのが面白かった。 ゲームでは「今日だけで何人殺した」とラスボスに言われるほど人を殺しているのでその反動か?とも思ったが、海賊船の上で敵の銃とホルスターを奪いゲームでお馴染のネイサン・ドレイクの姿になった途端にパンパン打ち始めるのでそうでもなさそう。 単に若い頃を描いているから荒事に抵抗があるだけかもしれない。

また飛行機で国を移動する際にインディージョーンズ風の移動描写があったのもよかった。 アンチャーテッドだけでなくトレジャーハンターものの映画としてのリスペクトを感じられて、とてもいいと思う。

吹替かIMAX

この映画はIMAX上映があるのだが、吹替はIMAX上映をやっていないのでどちらを観るか非常に悩ましい。 IMAXの音響と画面、広い画角で見るのは最高の体験だったが、ゲームをやっていた人には吹替の方がネイトの「やべやべやべ」「ああ、マジか」「うわっ やべ!」を聞けるのでお勧め。自分は結局両方観た。

続編があれば観たいシーン

途中に貼ったインタビュー内でも言っていたが、「アンチャーテッド4 海賊王と最後の秘宝」のカーチェイスのシーンが観たい。 アンチャーテッドをプレイしていて自分が一番ハラハラするのは、崩れていく床を走り抜けるのと、車から車へ飛び移るカーチェイスのシーンだと思う。

そもそも続編GOが出るかどうかはわからないが、アンチャーテッドの映画化としては最高の出来だったので、是非次回作も期待したいと思う。

2021年の映画以外と2022年

仕事

メインの仕事はあんまパッとしなかったかもしれない。取り組み方とか、テンションの持って行き方に失敗していたような気もする。後半は盛り返そうとしたというか、我武者羅になったが、それだけだとなーとも感じている。

 

私生活

ずっと映画を観に行ってたのは 2021年は映画によく行った年 - 雑紙 に書いた通り。

映画がコロナ禍の娯楽として自分にはマッチしていたのと、エヴァでよく行く週間が出来たからだと思う。

それ以外だとまだ変化に乏しい一年だった。コロナ禍でこもり気味ってのはあるけど、若干コロナを言い訳にしている節はあったと思う。結果として感染症対策にはなっているし世の中的には良いことだけど、変化しなくていい理由にはならんなと思う。

 

2022年やっていきたいこと

ざっくり言うと何か変化したいのだけど、そのためにインプットを増やす・食わず嫌いを減らすをやっていきたい。

仕事の微妙さも私生活の変化の無さもインプット不足や偏り・速度が一つの原因かなと思っている。

インプットの量や速度が少なかったり遅かったりするので良い課題解決の方法を導けない、導くための知識を持っていない。が起こっていそう。また現状を変えるための知識が今の自分の脳味噌だけになっていて、目隠しで地頭勝負みたいになっている。

仕事以外でも、例えば便利グッズ情報収拾やチャレンジをしてないので生活が変化しないみたいなことになっているのではないか。

 

コロナ前よりインプット量が減っている感覚もあって、コロナ前は通勤時間を使って本を読んだりブログを読んだりしていた時間が、通勤しなくなったことで仕事か趣味か睡眠の時間に置き換わっている。年齢のインクリメント+運動習慣不足で活動のための体力が衰えてきているのもありそう。

 

ということでインプット増やしていきたい。

あんまり作戦はないけど阻害するものに意識したい。だいたい年に何度か意識するけど毎回失敗している、続かないってことは失敗要因があるんだと思う。

 

とりあえず年始の意気込みなのでこのくらいで。

2021年は映画によく行った年

今年はよく映画を観に行った年だった。

3月頃にはシン・エヴァを何度も観たし、新型コロナウィルスのワクチンを打った8月移行から徐々に行く回数を増やして10月土日のどちらかはほぼ毎週映画館に行っていた。

隣駅に映画館があるので通いやすいのもある。

 

映画館で観た映画はこれら、計22回9作品観たらしい。個別に感想を書いたものもあるけどそれぞれ。

  • シン・エヴァンゲリオン劇場版 × 6回
  • ガールズ&パンツァー 最終章』第3話 × 2回
    • 今年初めてガルパンに触れて一瞬でハマってしまった。初心者達が勝ち抜いていくTVシリーズ、これまで戦ってきた相手が集合する劇場版、強豪高になって挑まれる側になった最終章、緊張感たっぷりで見逃せない戦車戦、ハマらないわけなかった。4DXが楽しい
  • Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ Licht 名前の無い少女
    • プリズマ☆イリヤ、NSFW描写多いからアレな目で見られやすい面はあるけど、真面目パートのイリヤの真っ直ぐさはとてもいいと思うよ。ドライ!!!の後半は戦闘シーン多いから劇場版だと迫力が出せてよい
  • 竜とそばかすの姫
    • 細田守監督作品だなと思った。曲がよくて耳に残る感じ。
  • プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章 × 3回
    • 1章は短い裏切りのサーカスを観ている気分になり、硬派なスパイ映画でめっちゃいいじゃんと思った。2章は打って変わってスパイアクションになっていて感じでこちらもよい。3章以降の続きが気になる
  • アイの歌声を聴かせて × 6回
  • フラ・フラダンス
    • 福島舞台ってことやスパリゾートハワイアンズの前情報を何も無しに観た。山あり谷ありのドラマが激しい映画じゃないけど落ち着いて1年間を描かかれている様子は結構好きだった。ヒロイン日羽がフラを踊ったときに、日羽の両親が見せたほっとしたような顔のシーンが好き。
  • マトリックス レザレクションズ
    • レザレクションズを観たときに思ったのは、なるほどこういうストーリーになるのかという納得感と、セルフオマージュや過去のマトリックスのシーンがフラッシュバックする編集の面白さ。あと何故かシン・エヴァ観たときと似た感覚を持った。シーンとしてはボットの人間ボムはかなり衝撃的だった。一番面白かったのは頭にあひるのオモチャを乗せて入浴するキアヌ・リーヴスかもしない。
  • 劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト
    • 今年一番圧倒された作品。これはすごいよ。後半のレヴュー5連続で「これ以上はねえ」ってやつを毎回超えてきてて、とにかく圧倒されっぱなしだった。

この後に映画以外の2021年を書こうと思ったけど長くなったのでここまで。

 

2021年に2回以上観た映画

プリンセス・プリンシパル Crown Handler

回数:第1章・2章 それぞれ3回

pripri-anime.jp

スパイ×スチームパンク物。 アクションに寄りがちかと思ったけど敵との駆け引きの雰囲気が出せていてちゃんと(?)スパイものが出来ている作品。 1章は60分ほぼ全て二重スパイとの駆け引き、みたいな感じだったのに2章は一転して爆弾騒動でスパイアクション物をやっていてギャップもよかった。 3章以降も楽しみ。

ガールズ&パンツァー 劇場版

回数:4回

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/0P537DO332O4G574LJZ1QKFYYYwww.amazon.co.jp

ガルパンにハマっていた時期があって毎週観ていた。TVシリーズで出てきた登場人物が勢揃いするのは劇場版のよいところだなと思う。

ガールズ&パンツァー 最終章第3章

回数:2回 (通常上映 + MD4D上映)

girls-und-panzer-finale.jp

2回だけどガルパン繋がりで。 公開終了間際に行ったので1回しか観れていなかったけれど10月に4D上映をやっていたので2回目を観た。 戦車の戦闘シーンで座席からふっとばされるくらい揺れたのだけど、立川シネマシティの爆音上映はそれ以上に揺れたという感想をきいたので、あの映画館どうなってるんだと思った。

TENET

回数:4回

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/0S81R5PSW0DWYLYA6T5NMSAKJIwww.amazon.co.jp

インターステラーを観てクリストファー・ノーラン監督作品にハマった月があってそこで観てた。 この時は異質で、アマプラでレンタルして4日夜連続TENETを観るみたいな週を過していた。 4回目は主人公の相棒ニールとのラストシーンを観るために観た気がする。

アイの歌声を聴かせて

回数:5回

ainouta.jp

予告で自分にはあまり刺さらないかもなーと思いながら観てみるとドハマりした作品。 ロボットやAIが出てくる作品はドラえもんみたいに人間との違いを感じさせないものか本当にただの機械のどちらかの印象だったのだけど、この作品はその間を感じさせる作品だと思った。 とにかくAIのシオンにぐっとくるので観てほしい。

benevolent0505.hatenadiary.com

シン・エヴァンゲリオン劇場版

回数:6回

https://www.amazon.co.jp/dp/B098T4QYZ3www.amazon.co.jp

完結してよかったですね。 舞台挨拶やIMAXラスト、上映終了駆け込みなどで回数を重ねた気がする。 これも最後の方は終盤の展開を観るために観ていた。

benevolent0505.hatenadiary.com

『アイの歌声を聴かせて』はAIのシオンが2000点の素晴しさを持つ最高の映画だった

ainouta.jp

公開初週の10/30、翌週の11/7、そして昨日の11/14と3週続けて『アイの歌声を聴かせて』を観ている。

3回も行くくらいなので気に入っている部分があるのだけど、先日感想について話していたときに「どの辺が気に入ったんですか?」と聞かれ、言葉にしてみると自分の中でこの映画がいいなと思っている部分の整理がついてきたので感想をまとめておく。

※2000点は勢いでつけた数です。

※当たり前のように映画のネタバレを含みます。

『アイの歌声を聴かせて』の好きなところ

この映画の好きなところをあげると次の2つになる。

  • シオンがサトミを幸せにする理由がトウマに命令されたから、ということ
  • 星間ビルから逃げるシーンで他のAI達がシオンの逃走を助けるところ

シオンがサトミを幸せにする理由

これはシオンの純粋さが好きな理由になっている。

終盤で、シオンは昔トウマがサトミにプレゼントした改造AIで、データ消去から逃れてでもトウマが命令した「サトミを幸せにする」ことを遂行しようといたこと。 ある出来事が切っ掛けで告げ口姫と呼ばれ、イジメられていたサトミを幸せにするためにAIロボット実験機に入りサトミの元に向かったこと。 これらの秘密が明らかになる。

これがわかると、ずっと頭に「何故?」を浮べながら見ていたシオンの行動の意味がわかってすっきりして、トウマの「サトミを幸せにする」って命令を愚直にやってきたんだなって部分にとてもグッとくる。

秘密が判明するシーンの見せ方やBGMの力もあるのだろうけど、登場からの行動がサトミを幸せにするための行いなんだと気づいて思い返すと、一本の線に繋るというか、すごく純粋さを感じるんですよね。 AIのプログラムが行うことなので無機質であるとも言えるのだけど、だからこそ純粋で他の思惑がない、そういう部分がとても気に入っている。

他のAI達がシオンを助けるシーン

これは「こういう未来もいいかもな」と思わせてくれるそんなシーンだったので気に入っている。

シオンの秘密が明らかになる際、シオン自体既製品AIの改造なので他のAIもシオンのように自己進化する可能性が示唆される。 その後星間ビルからシオン達が逃げる際に保安員に追い詰められたときにビルの掃除AIや管理AIなどが自律的に動きシオンの逃走を助けることで、実際既に他のAIもシオンのようになっていたというのがわかる。 これ以外にも学校で掃除AIやセキュリティAIなどの学校システムとシオンが強調していることが伏線になっていたりする。

これって結構怖いことで、このAI達はカメラの映像を書き換えたり、逃走を助けたり人間の邪魔をしていることになる。そんな勝手に動く、人間に害を成すかもしれない仕組みが人間の生活領域に溢れているって冷静に考えるとすごく恐しい描写に見える。

そのはずなのに、「こういうのもいいかもな」と何故か思っちゃうんですよね。

別に害を成すからいいわけではなくて、「そんなに悪いことにはならないだろう」と楽観的な気持ちになる。それはこれまでのシオンの行動を見ていたからかもしれないし、命令に従って純粋に遂行してくれる存在なら最初に与えた命令がおかしなものでなければそんなに不幸になることもないんじゃないかと思えたからかもしれない。

勝手に行動することについては、AIが他AIのことを思考しての行動なら「まあいいか」というか、人の作った機械から自分と同じように思考する存在として思えたのかもしれない。

この技術の先にこの未来があるかというと、そうではないだろうな〜と思うけれども、こんな未来があったら少し楽しいかもなと思わせてくれる、そんなシーンだった。

改めてシオンの素晴しさ

繰り返しになるけど、プログラムっぽいところに尽きるのだと思う。

シオンの見せ方がすごいなと思っていて、かわいらしい造形で笑顔もできる、柔道ダンスのシーンでは魅惑の表情も見せるのに、行動はすごくプログラムっぽく見えるんですよ。

サトミを幸せにするって言っておきながら幸せの意味もわからず命令を遂行しようとしているし、基本笑顔を見せているのにサトミ以外と真顔で接しているときはサトミ以外への関心がないんだなってのを感じる。 屋上でゴッちゃんとアヤの中を取り持ったのだってサトミが悲しそうにしていたからだろうし、サンダーのお祝いのときに何でみんな嬉しそうなのか全然わかっていなさそうだったのがすごくいい。

でもそんな交流を通して、サトミを幸せにするにはサトミの周囲を幸せにすればいいと理解し、それを遂行しようとする。 これもゴッちゃんとアヤの寄りが戻りサトミが嬉しそうな表情をする、サンダーの初勝利で皆が嬉しくなる様子から学習して得た結果と見るとプログラムチックでロジックとしての理解が出来て、無機質さが感じられる。

無機質なんだけど純粋というか、サトミを幸せにするものとしてプログラムされているので純粋以外のなにものでもないところがやっぱりすごい。

プログラムなので無機質なのだけど、そのプログラムが取る行動はサトミを幸せにするという一心の行動に見えて、逆に人間味を感じる。

最後にはサトミを幸せにできて、ずっと一緒にいられたことが自分の幸せだったと気づくのもいいなと思う。「こういう未来もいいかもな」と思える一つだった。

この映画の気になる部分と好きな部分

素晴しい部分ばかり書いてきたけど、引っ掛る点が無いわけでもない。

人間の感情の揺れ動きが映画としてリアリティや説得力が足りないかもと思う人はいるだろうなとは感じた。 ゴっちゃんとアヤそんなに簡単に仲直りしないでしょとは思ったし、ソーラー発電所で皆に歌われたときにゴッちゃんやアヤ・サンダーに歌われて嬉しいかなあ、とも思わなくはなかった。 そもそもお母さんが学校で秘密裏の実証実験はするようなキャラに微妙に思えない部分も若干引っ掛らなくもない。

引っ掛かりを感じる人はこういう部分が引っ掛っているのではと思う*1

引っ掛る部分はありつつも、それを上回る素晴しさがシオンにはあって、シオンをとても丁寧にきれいに描けているのでここまで絶賛しているのだと思う。 人間らしくトウマの願いを叶えていったのではなくて、AI・プログラムとして命令を遂行していって、最後に人間らしさを感じる。このプログラムらしさを行動・仕草・声で表現できているのがとてもすごいし、気に入っている。

これまで機械だと思ってきたロボットやAIが人間らしさを持つことを描いた作品をいくつか見たことはあるけど、人間とは違うけど同じ思考する存在として見えたのは初めてか久し振りだったかもしれない。

映画を観て思った人間とAIのイメージ

まとめ

『アイの歌声を聴かせて』を観て感じたことを書いていった。 読み返してみると純粋さ推しすぎて気色悪いなと少し思ったけど、人間に対してというより人工物に対しての感情が出ているからこういう表現になってのかもなと思っている。

そろそろ公開終了が近いらしいので、時間があればもう一度覩ておきたい。

*1:そういう感想を見て3回目を観たが、改めて観るとそんなに引っ掛かりは感じなかった。シオン中心で観てしまったせいかもしれないが、そんなにデカい心情の揺れ動き無くてもいいと思ったし、逆に自然に描けているようにも思えた

ひぐらしのなく頃に業・卒の感想

いやーお疲れさまでした。

 

最後で you 流れてきたのはやっぱりズルい。you流れてくるだけで大団円のように思えるし、実際エンディングのシーンは全ていいことだらけだった。というか悟史の目覚め*1やら鉄平やら鷹野やら小此木やらがいい感じになっていて怒涛の展開すぎて若干追い付けていない。

 

卒 14話の殴り合いや場面がころころ変わる演出に面食らったけど、正面からぶつかっていく展開はよかったな〜と感じている。

梨花と沙都子の大喧嘩からの距離を置くって流れは2人の関係から考えてもよかったと思う。下手に和解するより全然納得できる。

元々業の郷壊し編から、これは2人が大喧嘩して収めるしかないなと思っていたし、実際そうなった。終始一緒にいたい・勉強させて一緒にすごす・雛見沢で一緒にすごすしか喧嘩の論点が無かったのがめっちゃいい。

 

それぞれの○騙し編については、結局梨花と視聴者を騙すためのもので裏にある解答編は拍子抜けするほどあっさりとしていたなと思った。けれどひぐらしの解答ってそういうあっさりしたものが多くて、謎解きしっかりしていたのは綿流し・目明し編くらいだから元からああいう感じだったかなと思う。

妄想を外してみた事実はあっさりしている方がひぐらしっぽい。

 

とは言え自分が最初に求めてしまっていたものと違うという気持ちもある。ひぐらしの世界は惨劇が起こってしまうのだけど、些細な切っ掛けがなかったりちゃんと会話をしたり仲間を信じたりしたら惨劇は起きなかったかもしれない、みたいなメッセージ性があったなと勝手に思っている。それを期待して業やその解答の卒を見ると、だいたい回避不能なやつで本当に梨花と視聴者を騙す以上のことがないなと感じてしまった。

まあでもラストの大喧嘩展開とyouで全て許した感じがある。これでいいのです。早くyou -卒業-のフル聴きたい。

 

最初にひぐらしに触れたのが中学生の頃だから、もう10年以上前になる。それからまさか新作を見れて考察をして、youの新バージョンを聴き、感想を書けるのは結構感動的だなと思う。

新作を作ってくれて本当にありがとうございました。

 

 

竜騎士先生もこう言っているので、時々思い出せたらまた新しいひぐらしにも出会えるのかなって気がする。

せっかくなのでこれを気に他のなく頃にシリーズも履修してみようと思う。

 

 

最後に自分のひぐらし卒の感想を貼っておく。

twitter.com

*1:エンディング入って、これで悟史目覚めたらコンシューマー版にある澪尽し編に次ぐ最高のエンドじゃんと思っていたけどまさか本当に目覚めるとは思っていなかった

「もののけ姫」はこうして生まれた。をみた

「もののけ姫」はこうして生まれた。 [DVD]

「もののけ姫」はこうして生まれた。 [DVD]

  • 発売日: 2001/11/21
  • メディア: DVD

もののけ姫の制作過程に密着したドキュメンタリー作品。

1枚2時間のDVDが3枚組で計6時間半とびっくりするボリュームになっている。内容も異常に濃くて、既に3時間くらい経ってるのではないかと思ったらまだ1時間しか見ておらず嘘でしょと思っていた。

取材の過程で、宮崎監督の貧乏ゆすりの具合で絵コンテを描いているのか(物語を考えているのか)原画作業をしているのか(アニメーションを作っているのか)がわかるというシーンは通じるものがあると感じた。自分も貧乏ゆすり結構してしまう方だが、コード書いてひたすら実装している時よりも仕様や込み入った実装を考える時間の方が貧乏ゆすりが多い気がする。

他にも皆に見える所にキャラクターの背景設定を貼ってスタッフに共通認識もってもらうなど、仕事の過程として見ると自分達の普段の仕事と通じるものが多いように思う。

物作りやクリエイティブな側面も面白いが、仕事として見る面も色々と共感があってよかったと思う。お勧めです。

以下作品とは別の話。

別の見方として、チームの昼会雑談コーナーでジブリ制作日誌を眺めているのだけど、これが丁度もののけ姫の制作時期の日誌なので「この出来事ジブリ日誌で見た!(?)」と謎の既視感が得られた。映像中でもジブリの日常を覗けるのだけどジブリ日誌の方が本当の日常描写感があるので、編集されたものと生のものの両方を覗けている気分になる。 koudenpa.hatenablog.com

また映像の途中で出てくるセルの撮影機械があるのだけど、それがシン・エヴァのDパートのセルの原画シーンで使われていて、「もののけ姫はこうして生まれたでも出てきたあの機械じゃん!」という驚きが得られたのも面白かった。

このDVD、2年前の誕生日に id:hitode909 さんからほしいものリスト経由で頂いたものだったけどこれまで見れていなかった。折角頂いたのに見れていなくて申し訳ない & 改めてありがとうございます。 hitodeさんの感想はこちら。 blog.sushi.money